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​エッセイ 本気のコミュニティづくり 

いのちと暮らしを守るために、

大胆に「共に生きる」関係の創造へ

 Feb 1, 2021  

       @ matsudo-city, Chiba-ken

​この文章は、非営利型一般社団法人あんしん地域見守りネットのニュースュースレター

「かけはし」2号(2021年2月1日発行)の巻頭言に寄稿したものです。

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いのちと暮らしを守るために、大胆に「共に生きる」関係の創造へ

 コロナ禍の発端となった武漢の都市封鎖から1年が経過した。誰もがこの災禍の当事者になり、それぞれの分野において「今やれること」を探りながら進んできた。しかしこの間、孤立する人、生活苦に陥る人は確実に増えた。都内で貧困問題に取り組む支援団体によって結成された「新型コロナ災害緊急アクション」の年末年始の「緊急相談会」と「年越し大人食堂」では、計3回で約950食の食事提供と150名の相談があった。「池袋越年越冬活動2020-2021」が翌日SNSに挙げた報告には、相談件数はここ直近5年間の平均の37%増、親子連れや在留外国人が目立ったとある。私たち「あんしん地域見守りネット」のほっとラインでも9月から居住支援相談窓口を開いたが、日々、切実な相談が寄せられ始めた。 

 

 この状況はワクチンが普及し自粛が解除されたら解消されるわけではない。コロナ禍は現存する社会の脆弱さを顕在化しただけであって、社会保障制度が危うい状態にあることも、有事に弱者にしわ寄せがいくということも、またコミュニティづくりの要となる地縁組織の高齢化や後継者不育も既に知る者は知る課題であった。

 

 「かけはし」が目指す、ケアの視点を持って活動する者同士が連なりセーフティネットを構築していくには、2021年は対症療法的な現実的対応と、根本的対応の、2つの視点を持って活動していく必要があるのではないだろうか。

人は、共に祝い、喜び、悲しみ、弔うといった事を積み重ねながら関係性を育み、

その関係性によって生きる意味が与えられる